スペック　※個人計測のため微差はご容赦願います 全長 73.8㌢ 重さ 60.6㌘ バランス点　フェルールから19㌢強あたり 弾き心地がとてもよく重宝している弓ですが、必要に迫られ手放すことにいたしました。 タイトルの通り、スティック材の靭やかさと弾力の中にほのかな引っ掛かりをもつテクスチャと、若干つよめに入っていますが過不足ない理想の反り（ゆるい反りでとにかく毛を強く張ってグワングワン撓ませたい方には不向きかも）によって、弓は弦によく馴染み、思い描いた音に限りなく近い操作ができるよう助けてくれます。 多くの楽器に漏れずバイオリンも多分に官能的な楽器です、奏者のおこなう操作に対し音として、また楽器や弓からの心地よい反応や振動というフィードバックが次なる操作を求める気持ち、また次の日もバイオリンを手にしたいという気持ちにさせてくれます。 手元に銀線と絹糸を併用した重りを設えて調えられたバランスも理想のものと感じていて、先ほど述べた材料と反りと相まって望むべきプレイヤビリティをもたらします。 コンディションとしては、毛替えとチップ交換（牛骨）を先月行っており、割れや折れの修復歴や大きな欠損もなく重大な欠陥・弓の操作性や寿命に関わる点はないかと思われます。弓先から10㌢辺り弾き手側に幅1㌢程度の黒ずみ（画像参照、自然な経年と言うよりは反り直しなどで生じたものでしょう）、フェルールの弾き手側に長さ2ミリ幅1ミリ程度の引っ掻き傷がある点くらいでしょうか。その他類する事柄で懸念される点がありましたらお尋ねください。 無銘のオールドボウとして入手していますが個人的には19世紀末あたりのフレンチ作品ではないかと考えています。これまでに実際に手にした弓、写真や画像アーカイブ等をとおして目にした作品群からの類推ですが、バザンファミリーのワークショップ作品などの雰囲気が見え隠れしておりますがエキスパートによる鑑定なども経ていませんので、出自云々よりも実用性の高いオールドボウとしてご考慮くだされば幸いです。